”関税をチェックするのだ!”
 フッ..FedExさん、ご冗談を...〜


 最近はTWからの海外通販もだいぶメジャーになってきた...と勝手に思っております。そして、みなさんの興味は購入方法から、荷物到着後に送付されるFedExからの請求書の正誤に移ってきたように思います。事実、イロイロな掲示板でその手の情報がやりとりされている今日このごろデス。
 このアホなページにも関税に関する記述が多く存在しますが、その時々における情報として「海外通販するぞ」内に点在しており、非常に情報を取り出しにくい状況なので、この際一つにまとめてみることにしました。もちろん、ボクは通関士でもないし関税官でもない、ただのヘナチョコ・テニスプレーヤーなので、記載内容はあくまで参考程度にとらえてもらえばサイワイです。
 んじゃ、またおせっかいな説明を押し付けてやるゼ!覚悟するよーに...

 

 「お?来てる来てる!..カード利用承諾書も受理されたようだな..注文内容は..うん、間違いナイ!よーし、あとは荷物が到着するのを待つだけだ。さっそくトラッキングインフォメーションでも見てみよ〜っと..」...初めての注文が受付けられ、”Tennis Warehouse Order #123456”の注文確認メールを受け取った数日後に荷物到着。「わーい!品物も間違いないゾ。コレも”浦河町テニス協会”のKさんのおかげだなぁ..Kさんって、なんてイイ人なんだろう..」(自画自賛..えぇ、ホットイテください。)
 荷物を受け取ってルンルン気分(死語)のキミ!そう、キミだ。喜ぶにはまだ早いゾ。キミには荷物到着後に送付されてくるFedExからの請求書の正誤を見極めるという、大きな仕事が残っているのだ!

 

1.gif (12534 バイト)荷物到着後、1週間〜10日くらいしますと、こんなものが送られてきます。宛名はローマ字、しっかりと”請求書在中”の記載があります。中身は書類が2部、請求書関係と納税関係の書類です。

2_1.gif (86806 バイト)請求書関係書類の1枚目は、もちろん請求書。右上に請求書番号、その下に請求合計額、中段には請求内容(関税、付加価値税・消費税、関税・消費税特別手数料)、左下段にカスタマーサービスのフリーダイヤルが記載されています。カードで支払う時にもこのフリーダイヤルから利用できます。
請求内容中の”関税・消費税特別手数料”というのが、いわゆる手数料で購入金額に関わらず、\500/1件 になるようです。

2枚目はFedExへの振込用紙です。(省略)振込を利用する場合の手数料はこちら持ちなので、カードが断然オトクです。

さて、納税関係書類の1枚目は”輸入許可通知書”(省略)。黄緑色です。特に見るべきものはありません。FedExの請求額から\500を引いた金額が、納税額合計として記載されているはずです。2枚目・3枚目がダイジな輸入(納税)申告控、以下FedExの貨物運送状、TWへの注文内容のコピー..となります。以下は今回の注文内容です。

Product Name

Order

Price

Total

1

Head Titanium Radical Oversize (1/4)

2

$69.99

$139.98

2

Prince More Precision Mid+ (1/4)

1

$89.95

$89.95

3

Prince More Precision OS (1/4)

1

$89.95

$89.95

4

Pacific X Tack Overgrip White

3

$3.99

$11.97

5

Wilson Pro Overgrip White

3

$3.99

$11.97

6

Prince Performance Back Pack Bag

1

$10.00

$10.00

7

Penn Backpack Bag

1

$4.99

$4.99

8

Bow Brand Championship Natural Gut 16L

2

$17.99

$35.98

9

Babolat VS Natural ThermoGut 16 Touch

2

$34.95

$69.90

10

Pacific Tour Natural Gut 16

2

$25.99

$51.98

11

Pacific Prime Natural Gut 16

1

$27.99

$27.99

Sub Total

$544.66

 

4_2.gif (52124 バイト)5.gif (28207 バイト)さて、カンジンの申告控ですが、@に仕入書価格(CIF)、Aに通貨レート(輸入許可通知書にも記載有り)、B以降が納税の詳細..となっております。


 

4_11.gif (27478 バイト)@CIFの算出...シロウトの小額個人輸入に対しては、購入金額(送料は含まず)の60%となります。一応10万円以下がシロウトの小額個人輸入とみなされます..えぇ、あくまで目安ネ。
今回の購入金額は、$544.66だから..CIFは$326.79..ん?イキナリ間違っているのだ。どーすれば$331.79が出るんだ?もっとも根本的なところから間違っていることになります。まぁ、微々たるもんなので請求額にはほとんど影響しませんが、今回は関税についても間違いがあったため請求書の再発行を要求しました。CIFの算出は、もっとも根幹的なところなので要チェックです。

 

 

4_12.gif (9209 バイト)Aの部分。通貨レートです。この時は1$=\107.93、もう少し遅かったら良かったのだ。以後の変換はこのレートで。

 

4_13.gif (50282 バイト)B具体的に見ていきましょう。まずは非課税品目からです。今回はラケット4本(張り上げたストリングについても非課税。もっともサービスガットでタダだから、税金のかけようが無いのだ。)、オーバーグリップ6個が非課税品目となります。それらの購入金額は合計で$343.82だからCIF=343.82×0.6×107.93=\22,265 のはず..ココも違っているなぁ..このCIFだとラケット4本だけが非課税品目となっているようです。
ただし、CIFが\22,265でも\20,839でも消費税は\800です。CIFが\22,265の場合、その4%は\890、同様にCIFが\20、839の場合は\830..10円以下は切り捨てとなるからです。したがって、それにまつわる地方消費税も\800×0.25=200..不変です。しかし、差額が課税品目に合計されれば、関税や課税品目の消費税等が増える可能性があるので、放置するわけにはいきません。
いろんなパターンを想定して、FedExからの請求額を下回るような分類(FedExの担当者をナットクさせる、ある程度正当性のあるものネ)を模索してみましょう。

 

5_1.gif (64377 バイト)C課税品目に関する詳細です。課税品目は非課税品目を除いた品目で今回はバックパック2個、ナチュラルガット7点でCIFは\13,006...当然、ココも違ってきますね。しかも、”品名”が..プラスチック..そう、フツウのシンセティックストリングとして処理されています。正解は税表番号4206.10、”腸の製品カットガット”で関税率は3.3%となります。
めんどうなので、左の表のとおりにハナシを進めますと、¥14,970のCIFに対して課税額は\14,000、その3.9%は\546、10円以下切り捨てて\500..コレが関税となります。
次に消費税ですが、課税標準額には関税の\500がCIFに加算されます。したがって課税額は\15,000、その4%は\600..コレが消費税、その25%は\150、10円以下切り捨てて\100..コレが地方消費税となります。
まとめますと非課税品目の消費税等が\1,000、課税品目の関税が\500、消費税等が\700、納税額合計が\1,000+\500+\700=\2,200 となり、FedExからの請求書はコレに手数料\500を加えた\2,700となったようです。

 さて、訂正後の請求額は\2,600でした。ボクの勝手な計算よりも\100多かったので、またもや質問してみました。(いや、ホントいやな客だ。毎度のお付き合い、ありがとうございます。)差額が生じた理由は、消費税の計算方法の違いでした。ボクの計算方法では、課税品目と非課税品目、それぞれ別けて計算、切り捨てて消費税・地方消費税を算出していましたが、正解は切り捨てる前にそれぞれを合計して、その値を切り捨てるそうです。このへんはコンピューターがハジキ出した金額だそーです。そんなワケで、今回は関税率の違いによって、関税が\500から\400になるだけでした...。

 ここで気付いた人もいるかもしれませんが、課税品目に適応される関税率ですが、バックパック類もあったにもかかわらず、一律にガットの関税率が適応されています。これは以下の通関業者の慣例のためです。

「いづれの課税品目も、全課税品目の合計額の50%を超えない場合は、その中で最も高い関税率が全ての課税品目に対して適応される」、逆に言えば「課税品目の合計額の50%を超える品目がある場合、その品目の関税率が一律に適応される」


..というものです。今回はナチュラルガットが大きなウエイトを占めていますので、バックパック類の関税率は無視されナチュラルガットの関税率が適応されています。このへんのやりとりは「海外通販そのS」をご参照ください。

今までに実際に購入してわかっている関税率です。この他、未確認ですがリプレイスメント・グリップ3.9%という説もあります。

品目

関税率(%)

エルボーバンド

6.8

キャップ

5.8

ナイロンストリング

3.9

ナチュラルガット

3.3

トレーナー・ジャージ

9.6

ラケットバッグ

8.0

ポロシャツ

11.5

 だいたいボクらシロウトが購入するものは、ラケットの他にアパレルが多くなってしまいますね。ストリングを持ち込みで張ってくれるショップと、ナチュラルガット好きな友達を探して、アパレル関係の購入額を少し上回るナチュラルガットを購入すれば、アパレル関係にも3.3%の関税率が適応されることになります。ただし革靴など、その適応にならない組み合わせも存在するようです。
 では、ムリヤリまとめますと...

まずはCIFをチェックせよ!
課税品目・非課税品目の分類に間違いはないか?
課税品目にたいする関税率の適応に問題はないか?

...と、なります。モンク、質問、疑問のある方はフリーダイヤルへドーゾ。

 

よ〜く考えよぅ〜..注文する前に...

 注文の段階で以上のことがわかっていれば、わずかですが納税額を操作することもできます。欲望にまかせて注文する商品が決まった後に、実際にシュミレーションしてチョット考えてみましょう。
 欲張りな浦河 太郎くん(久々の登場だ..)の今回の注文は、またもやコりずにサーブ&ボレーヤーを目指してヘンマン・モデルを2本、その他アパレル、バック、ストリングを少々デス。

品物

分類

関税率(%)

単価

個数

合計

1

スラセンジャー プロ・ブレイディド

ラケット

0.0

$79.99

2

$159.98

2

ディアドラ ポロシャツ L

ポロシャツ

11.5

$20.00

1

$20.00

3

ディアドラ メッシュ キャップ

帽子

5.8

$13.99

1

$13.99

4

ディアドラ ラケットバック

バック

8.0

$25.00

1

$25.00

5

テクニファイバー E-マトリックス16

ストリング

3.9

$4.99

10

$49.90

6

ゴーセン スーパーテックAK プロ16

ストリング

3.9

$6.25

1

$6.25

いつのまにか"ディアドラ"大好きになったみたいですね..。(品物はすべて2004年2月現在、TWへ注文可能なものです。)

 まずは非課税品(ラケット、オーバーグリップ等)と課税品(アパレル、ストリング、その他)に別けてみましょう。ちなみに購入する可能性があるものとして、時計、雑誌、ビデオなども無税となるようです。

非課税品目

ラケット

$159.98

課税品目

その他

$115.14

 課税品目中、分類上大きな割合を占めるのはストリングで、その合計購入額は$56.15です。ラケットを除く課税品目の合計購入額($115.14)の50%は$57.57となり、ストリングも含めてどの品物も「課税品目の合計額の50%を超えていない」ため、この中で最高税率のポロシャツ11.5%が課せられるハズです。
 では、このままオーダーしたと仮定して納税額を計算してみましょう。レートは1$=\106と仮定します。

品物

分類

合計

CIF

課税額

消費税

地方消費税

非課税品目

ラケット

$159.98

\10,175

\10、000

\400

\100

 まずは非課税品目ですが、CIFは $159.98×\106×0.6から求められます。結果、100円以下を切り捨てた課税額は\10,000となり、消費税はその4%である\400、地方消費税は消費税の25%なので\100、合計\500がラケットに関する納税額となります。

品物

分類

合計

CIF

課税額

関税率(%)

関税

課税品目

アパレル

$115.14

\7,323

\7、000

11.5

\800

品物

分類

CIF

関税

課税額

消費税

地方消費税

課税品目

アパレル

\7,323

\800

\8、000

\300

0

 次に課税品目の関税ですが、同様にCIFが算出され、課税額は\7,000となります。この11.5%(805円)が関税となりますが、10円以下切り捨てで\800となります。(上段)
 課税品目の消費税ですが、前出のCIFに関税が加算された金額(\7,323+\800=\8,123)が対象となるため、課税額は\8,000となります。そこから同様に消費税・地方消費税を算出していきます。(下段)前出の消費税・地方消費税の計算方法の違いによる差異は、この場合影響ありません。
 結果、納税額合計は\1,600、FedExからの請求金額はこれに手数料\500を加えた\2,100となるはずです。

 では、ココでちょっと考えてみましょう。上の例でもっとも高いアパレルの税率が一律に課せられたのは、「どの品物も課税品目の合計額の50%を超えていなかった」ためです。そこで、ストリングの注文を追加して、「課税品目の合計額の50%を超える」ようにすれば、もっとも低い税率である3.9%が一律に課せられるはずです。
 そこでセコい太郎くんは、"ゴーセン プロフォーム タフ 15L"というストリングを2個、追加注文することにしました。

品物

分類

関税率(%)

単価

個数

合計

1

スラセンジャー プロ・ブレイディド

ラケット

0.0

$79.99

2

$159.98

2

ディアドラ ポロシャツ L

ポロシャツ

11.5

$20.00

1

$20.00

3

ディアドラ メッシュ キャップ

帽子

5.8

$13.99

1

$13.99

4

ディアドラ ラケットバック

バック

8.0

$25.00

1

$25.00

5

テクニファイバー E-マトリックス16

ストリング

3.9

$4.99

10

$49.90

6

ゴーセン スーパーテックAK プロ16

ストリング

3.9

$6.25

1

$6.25

7

ゴーセン プロフォーム タフ 15L

ストリング

3.9

$1.69

2

$3.38

 

品物

分類

合計

非課税品目

ラケット

$159.98

課税品目

その他

$118.52

50.23%がストリング代金

 こうすると、3種類のストリングの合計額は$59.53、課税品目合計額の50%である$59.26をわずかに上回ることになり、課税品目に対しては一律にストリングの関税率である3.9%が課せられることになるはずです。非課税品目の納税額に変化はありませんが、課税品目は以下のように関税\600、消費税\100が安くなるはずです。

品物

分類

合計

CIF

課税額

関税率(%)

関税

課税品目

ストリング

$118.52

\7,537

\7、000

3.9

\200

品物

分類

CIF

関税

課税額

消費税

地方消費税

課税品目

ストリング

\7,537

\200

\7、000

\200

0

ストリングを追加注文することによって納税額は\1,600から\900に、FedExからの請求額は\2,100から\1,400になると思われます。うーん、\700もトクしたのだ。太郎くんの注文はコレで決定ダ...。

 まぁ、冷静に考えれば、どんどん引き取り手のないストリングが増えてしまう...といった事体も予想されますが(ウチではほとんど現実化しています..トホホホ)、多くの賛同者を募って共同購入すればイイ買い物になるかもしれませんね。
 現時点でも、時々切り捨てのタイミングやCIFと課税額との関係など、よーわからん部分も残っていますが、とにもかくにも、請求書の内容を十分吟味する価値はあると思います。

アナタ!もしかしたら、ヨケイに払っているかもしれませんよ...

Bullet1.gif (122 メインページへ

浦河町テニス協会ホームページ −関税チェック

inserted by FC2 system